内容重視の指導法
フォーカス・オン・フォーム
イマーション
バイリンガル教育
英語は英語で教える
ESP
イングリッシュ・シャワー
などなど
違いよりも、それぞれの考え方を生かして、より効果的な指導をすればよいのではないでしょうか。
それでもこだわる人がいます。一つ参考にスペインのCLIL事情を述べておきましょう。CLILとイマーションの違いについて、Lasagabaster & Sierrra (2009)は、スペインのCLILの状況を背景として、次のようにその違いを整理しています。
- CLILはその指導言語を外国語とし、授業という枠組みの中でその言語が使われるが、イマーションは生徒の状況に合わせた言語を使う
- CLILの教師はネイティブスピーカーではなく、外国語としての言語を使う
- CLILをスタートする年齢は、イマーションのように早期でなくてもかまわない
- CLILの教材はイマーションで使うようにネイティブスピーカーが使う教科書である必要はない
- CLILの目標は、イマーションが目指すようなネイティブスピーカーの言語能力ではない
- CLILは、イマーションのように移民のこどもを対象とするものではない
- CLILは実験的な段階にあることが多い
CLILの最も大きな特徴は、あえて言えば、上記の様々なアプローチがすべて言語に焦点を当てているのに対して、CLILはその名前のとおり、
Content and Language Integrated Learning
科目内容とことばを統合した学習
内容言語統合学習
CLILはmethodologyとして紹介されています。たしかに、CLILには方法論があり、いくつかの指導方法があり、指導技術が必要です。また、大きく３つの目標を設定しています。
内容の学習、ことばの学習、学習スキル
多様な視点(multiple focus)
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1.
科目内容クラスで外国語学習にアプローチ
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2.
外国語クラスで科目内容にアプローチ
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3.
いくつかの科目を統合
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4.
科目間のテーマやプロジェクトを通して学習をコーディネート
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5.
学習プロセスの省察（ふりかえり）を促進
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安全で豊かな学習環境
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6.
所定の型通りの活動や話題
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7.
授業を通じてことばと内容を提示
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8.
ことばと内容の両方を試してみることで生徒の自信を築く
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9.
教室を学習センターとして使用
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10. オーセンティックな学習教材と環境にアクセス
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11. 生徒の学習意識を高める
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本物らしさ(authenticity)
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12. 生徒に必要なことばの質問をさせる
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13. 生徒の興味関心を最大限に引き出す
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14. 生徒の学習と生活を常に関連させる
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15. CLILのことば（目標言語）を使う人と交流する機会をつくる
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16. メディアや他の情報源からの最新の教材を使う
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意欲的な学習(active learning)
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17. 教師より生徒がコミュニケーション
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18. 生徒が内容、ことば、学習スキルの成果を示す
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19. 生徒が学習成果の到達度を評価する
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20. 仲間との共同を好んで行う
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21. 生徒同士でことばと内容の意味を考える
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22. 教師は進行役に徹する
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足場を組む(scaffolding)
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23. 生徒の持っている知識、技能、態度、興味、経験を足場とする
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24. 生徒の立場に立って情報を再構成する
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25. 異なる学習スタイルに対応する
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26. 創造的で批判的な思考を培う
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27. 生徒に楽をしようとしないで一歩前に出るように促す
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協力(co-operation)
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28. CLILの教師とそれぞれの科目の教師との協力で授業を計画する
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29. 保護者にもCLILの学習や生徒支援などにかかわってもらう
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30. 地域、教育行政、雇用者とかかわる
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具体的には、『CLILー新しい発想の授業』を参照してください。しかし、上記のチェックリストにそって授業をしてもうまくいかないでしょう。指導法や技術などに忠実に従う必要はありません。ポイントは、
学ぶ対象が科目内容とことばの両方にあり、それを統合する
ということです。
CLILの魅力は、そのような学習環境を演出するということにあります。
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