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CLIL SAITAMA(旧名称)

Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

CLILは、次第に注目を集めています。本サイトは、笹島茂がかかわるCLILの実践やつぶやきを集めたものです。参考にしてください。

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2012年7月23日月曜日

埼玉医科大学のCLIL(1学期を終えて)

このサイトは、ローカルにCLILの広がりを支援するサイトです。興味を持つ人は、ぜひ軽くCLILを実施してみてください。

ということで、私たちの実践を報告しておきましょう。

埼玉医科大学ではCLILを実施しています。

ようやく1学期が終わり、学生からも感想が寄せられました。総じて好評でした。担当していただいている5人の先生は、それぞれの個性を生かして授業を展開しています。

今年から新しく作成した教科書『CLIL Health Sciences』を使って授業をしてもらっていますが、必ずしも教科書を教えているわけではありません。それぞれ学生の反応を見ながら活動をしています。

おおまかな方針として、教科書の扱うTOPICだけを決めました。私は一切口出しをしないで担当の先生方にまかせています。すると驚いたことに、TOPIC1のMath and Countingはだれも扱いませんでした。これにはいろいろと理由があるみたいです。

授業は65分です。ちょっと変則ですが、1時間が2クラス合同で、その後1時間12〜3人のクラスで活動します。教科書の内容はむずかしい部分もありますが、そうではない部分もあります。日本語では簡単に理解できる部分も英語ではうまく説明ができなかったりします。先生に質問しても、先生も分からなかったりしますが、そのような自然な内容をともなったコミュニケーションがある意味で興味をそそるようです。

活動では、ポスターを作成して、互いに英語で発表したり、簡単なスピーチをしたり、クイズをしたりと様々です。考慮しなければいけない課題もたくさんありますが、とりあえず成功と言ってよいでしょう。

学生の評価の平均です。7段階評価です。

学習内容(CONTENT)                                   5.0
言語学習(LANGUAGE/COMMUNICATION)    4.9
協力(COMMUNITY)              5.2
思考(COGNITION)                                         5.0

コメントには、

ふつうの英語の授業とちがっておもしろい
互いに協力できるのでよい
医療の内容が学習できる

などがありました。

夏休み明けも続けていく予定です。課題は、やはり、CLILをどう考えるかでしょう。また、学習する内容の深さにも注目しなければいけません。学生は「楽」を求めがちです。評価はよくても、その質に問題があるかもしれません。

CLILを実施するにあたって、私が最も重視することは、先生が楽しまなければいけないということです。CLILの型を押し付ける気はないので、5人の先生それぞれの工夫を尊重します。しかし、お互いに自然に情報交換し、他の先生が工夫している姿を見たり、学生からの反応がよかったりすると、それに刺激されて、さらに工夫を重ねる姿がありました。

無理をしないで、すこしずつCLIL的に授業を展開することで、学生も教師も「学ぶ」ということにつながればよいと思っています。

CLILをみなさん始めてみてください。