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Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

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2013年4月16日火曜日

CLIL 2013 Poland

先日(2013年4月6〜8日)、ポーランドのUstronという町で開かれたヨーロッパのCLILの大会に参加しました。

大会というよりもCLILの研修会という色彩の強い集まりで、多くのCLIL研究者や実践者の人と交流できる貴重な機会でした。

ポーランドは一度も行ったことのない国でたいへん興味がありました。EUにはまだ入りきれない経済的にも今一歩の国ですが、英語という言語教育には熱いものを感じていました。今回のCLILの大会も、ポーランドにとっては、その勢いというか、心意気というか、発展する国の意欲の表わす指標なのでしょう。

大会の雰囲気を伝えるビデオがあります。ホテルで三日間開かれました。開会の際の歌は地元の高校生です。


昨年のオランダのUtrechtで開かれた大会と異なり、小規模な集まりで、本当に研修会という内容でした。今回は学校訪問などがなく、ポーランドで実際どのようなCLILが行われているのかは分かりませんでした。英語によるバイリンガル教育はかなり盛んになっているようです。

発表で目立ったのがgeographyを英語で教えるというCLILの実践が多くあった。かなり盛んなのかもしれないが、確証は得られなかった。が、次のような冊子もある。


Teaching Geography through English – a CLIL approach




言語と地理や歴史は、たしかに関連があり、ヨーロッパなどではニーズがあるのだろう。教え方も工夫されていたし、教科書もポーランド語と英語の教科書が内容を同じくして揃えられていた。同時通訳や翻訳に携わる人はヨーロッパではニーズが高い。その基礎となるヨーロッパの地理や歴史は、外国語学習、特に英語では、必要なのだろう。

このCLILの大会の参加者は少なかった。大会に参加しなかった理由はいくつかあるだろうが、私が聞いた範囲では、アカデミックな点に魅力を感じないということが大きな理由らしい。フィンランドから参加者はたった一人だった。

私の発表は、What can help change mindsets in the CLIL classroom? というタイトルで、CLILは教師や学習者の英語学習の考え方を変える可能性があるという趣旨の内容です。CLILになぜ私が興味を持っているのかというきっかけとなる体験から出て来たもので、日本の英語学習者は、ある歴史的「思い込み」から抜けられないと感じている。CLIL はそれを変えてくれるのではないかと思うのです。スライドはダウンロードできるようにしておきます。興味のある人は見てください。

大会が終わり、私は、Ustronの町からローカル線に乗り、Katwiceという大きな町に出た。たいした距離もないのに2時間くらいかかる。列車はきれいな列車と古い列車が混在して走っている。他のヨーロッパの町の人と較べると英語ができない人の割合が多い。それでも上手に話しかけてきた母娘(?)がいた。私を日本人旅行者と知って、宗教がらみの本を売りに来たのだ。買ってもよかったが、なんとなく気が乗らず急いでいたし、背景も分からないので、断った。Katwiceは旅行者も多いからそういう人を狙っているのだろう。これもCLILに通じるのかと思った。つまり、私の頭は、宗教のCLILは必要だろうと考えた次第である。私は、宗教のことはあまり知らないが、学生の頃大学の講義で旧約聖書を読んだことがある。むずかしいなという印象だったが、宗教者にとって言語は重要だ。様々な国の人と交流を持つときは、やはり英語が便利なのだろう。その教育はどうなっているのだろうか?

ポーランドに興味を持ったので、CLILの大会で会った人をたよりにまた訪問しようと思っている。

大会とは関係ないが、埼玉県の高校の先生などを中心に、CLIL Global Issuesという教科書を作成した。まだ試行段階ではあるが、とても中身の濃いよい教科書だと思う。ヨーロッパでもCLILの教科書は多く出版されるようになった。ポイントは、科目内容の教科書に、言語的タスクをどう取り入れるかだ。様々な教科書があってよいので今後の展開が楽しみだ。

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