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CLIL SAITAMA(旧名称)

Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

CLILは、次第に注目を集めています。本サイトは、笹島茂がかかわるCLILの実践やつぶやきを集めたものです。参考にしてください。

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2012年12月3日月曜日

埼玉医科大学のCLIL(2学期を終えて)

埼玉医科大学では、CLILを実践しています。2学期を終えた感想をまとめておきます。

学生の満足度は少し下がりました。原因ははっきりとは分かりませんが、時期的な問題もあると思います。それとともに、教えている内容がパタン化してきたかもしれません。学生の満足度が多少下がったと言っても、7段階評価で5程度は維持しているので、それほど悲観するものではありません。1学期よりは下がったという程度です。この点については、もう少し分析する必要があります。

教科書は、『CLIL Health Sciences』を使っていますが、それぞれの担当の先生が教科書にそってやっているわけではありません。関連する内容を広げて、それぞれにアレンジして授業を行なっています。

それぞれの先生にはそれぞれの考え方があるので、アプローチの仕方は尊重しています。目標は、

Health Sciencesの内容を話題として学生が英語で理解し考える

という程度のおおざっぱなものです。語彙や知識を教えたり、スキルトレーニングにばかり焦点を当てず、意欲を引き出し、活動を多くしてもらいたいと思っていますが、決して思う通りにはいきません。しかし、シラバスやテストなどを統一してしまうと、授業を活性化することはむずかしいと思います。

環境的な問題もあります。医学部全体のカリキュラムの問題もあります。3学期を終えて、まとめて考えたいと思いますが、一つの反省事項は、先生側が互いに意見交換する時間が十分に取れていないことだと思っています。

CLILは、以前にもこのブログでも述べましたが、特別な指導法というわけではないと考えています。これをある指導パタンに合わせてしまうと内容のないものになります。たとえば、ヨーロッパのCLILでよく行なわれるグループ活動やブレインストーミングなどをそのまま利用しても、うまく行かないことが予想されます。ポスターを作ったり、プレゼンテーションをしたりする際も同様です。

多くの学生は課題に対してできるかぎり簡便な方法で処理しようとします。そこがカギだと思います。課題を行なうことで、「学ぶ」「考える」ということをあまり深く探求しない傾向があります。英語を読んだり聞いたりして情報を得たり、英語でまとめたり、質問したりすることで、さらに理解を深めるなどをすることが、CLILでは必要です。教える側がその点に注意して指導しているかどうかがポイントです。

CLILは、ただ単に内容やことばを教えることではなく、統合することが大切です。統合ということは、内容を学ぶ際にことばに注意し、ことばを指導する際に内容を考慮する必要があります。これには、おそらく様々なアプローチがあり、だれかが行なっている指導法をまねれば、それでよいという訳にはいきません。それぞれの教える側や学ぶ側の特性を生かす必要があります。

当初は、これらのことは教科書を作成して、教科書にそって授業を展開すれば、ある程度うまくいくのではないかと考えましたが、そうもいかないようです。

しかし、このようにCLILを考えながら展開することを楽しいと思えることが、まず第1だと考えます。2学期を終えましたが、それぞれの先生が楽しんでCLILを指導してくれる環境を用意し、もっと多くの学生が意欲をもって英語学習に取り組めるように、さらに考えていきたいと思っています。





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