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CLIL SAITAMA(旧名称)

Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

CLILは、次第に注目を集めています。本サイトは、笹島茂がかかわるCLILの実践やつぶやきを集めたものです。参考にしてください。

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2012年11月15日木曜日

台湾ETA-ROCでのCLILの発表


先日、台北で行なわれたETA-ROC (English Teachers' Association in Republic of China)の大会に参加して、プレゼンテーションをしました。発表スライドはこのブログからダウンロードできるので興味ある人は参照していただければと思います。

大会では、CLILと言ってもほとんどの人がまだ知らないようでした。CEFRもそれほと馴染みがなく、アメリカ志向の強い内容が多かったような印象があります。また、全体的に小中高の先生方が修士論文の内容に関連して発表したり、大学の先生とのプロジェクトを発表していたり、出版社と提携した発表が多く、実践的な内容が好評のようでした。

さて、私の発表ですが、埼玉医科大学でのCLILの実践に関する内容で、

Focus on Content – CLIL Can Change EFL teachers’ perceptions

というタイトルです。内容は、教師の考え方を変える可能性について言及しました。


問題は、「英語を教える」ということを教師はどう考えているのかということです。英語の教師は、やはり英語の教師であり、ことばを教えようとします。私もそうです。文法、語彙、発音、4技能など、とかく言語の知識と技能に焦点を当てます。当然でしょう。しかし、ちょっと考えてみていただきたいと思います。学習者はそれほどことばにこだわって学習しているでしょうか?違うのではないでしょうか?英語の教師が勝手にそう思っているのではないでしょうか?などという考えをもとに研究していることを発表しました。

CLILは決して魔法のような指導法ではないと考えています。

前にも述べたとおり特別なものは何もないと思いますが、教師の勝手な思い込みを変える可能性があるといつも思っています。

私は、「言語教師認知論」が専門です。教師のビリーフは相当にしっかりとしたもので、自分が思っているほどに柔軟ではないとこれまでの調査から分かっています。英語教師だけではありません。教師はかなり固い「信念」を持っていることが多いです。それはなかなか変わりません。変えているつもりでも変わっていません。

しかし、「教える」ことの思い込みは変わる可能性があります。CLILは「英語を教える」ということに「科目内容を教える」という観点を入れ込み統合するという学習です。学習者は、英語授業でも基本的にこれを実践しています。英語を習いながら英語の教科書で取り上げられている背景や内容に関心を持ち、教師もそれを意識して、文化や内容を教えていることが多いのです。それが訳読につながる指導となり、それはいまでも途絶えることなく続いています。CLILはそこに一石投ずる可能性があると考えて調査しています。

埼玉医科大学では、英語母語話者にCLILの授業をお願いしています。CLILの専門家とは言い難い訳ですが、同僚はそれなりに興味関心を持って、熱心に指導しています。学生もほぼ満足し、実践の中で少しずつ指導に変化を示しています。発表はその点についての研究の一端を紹介しています。

CLILは、教師自身が学習に対する考え方を変え、自身の指導観に合った学習を、生徒の学習観に無理なく合わせていくことに、その効用があるだろうと思います。「CLILの教え方はこうであらねばいけない」「私こそがCLILのカリスマ教師だ」などという考えはまず捨てることが大切でしょう。

CLILは、教えること、学ぶことの楽しさを与えてくれます。それを、台北でも伝えたかったのですが、そうはいかなかったのではないかと思います。この点について、さらに検討を重ねていきたいと考えています。


1 件のコメント:

  1. Wonderful website, I seek permission to diffuse it to students of the University of Nigeria, Nsukka. http://www.unn.edu.ng
    Commander,E.O. UNN.

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