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Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

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2015年8月14日金曜日

JACET北海道支部での講演

あっという間に、時が過ぎました。ブログに書こう、書こうと思いながら。。。遅くなりましたが、報告します。

7月4日(土)に北海道ニセコにおいて行われたJACET北海道支部総会で話をしました。「CLIL/CBLTが育む 英語教師のこころの変化」と題した話です。その他、シンポジウム「言語教師認知研究と英語教育」を、河合靖先生、志村昭暢先生、中村香恵子先生と行いました。シンポジウムは、本ブログとは話題が違うので割愛しますが、充実した1日でした。

ニセコは、初めて訪れたところですが、噂で聞いていたとおり、オーストラリアや中国の人たちが多く住むようになり、地方からおもしろい形であちらこちらとつながるようになっていると感じました。グローバル化とか国際化とか言われて騒いでいますが、これってごくふつうのことのような気がしました。ただ少し危惧するのは、地元の人がどう対応しているのかという点でした。おそらくなんらかの軋轢があるはずですが、印象としてはたいへんポジティブで、うまくいってほしいと思います。

さて、私の講演ですが、「CLIL/CBLTが育む 英語教師のこころの変化」と題したとおり、タイトルにCLILに加えてCBLT (Content-based Language Teaching)ということばを入れて、英語教師のこころについて話しをしてみました。少し焦点がぼやけて、ピントがずれたかもしれません。期待されていた話は、CLILのもっと具体的な部分のようでした。

そこで、二つの相反する方向性に気づきました。

1)CLILに興味を持つ人が多くなり、今後の発展の可能性
2)CLILは結局ヨーロッパの教育で、日本での実施は無理

どちらに向かうのかは、教師の考え次第です。

私は、そのように考える教える側に興味があり、その教える側の立場からCLILに興味を持ちました。というのは、私自身の教え方も実際CLIL的な要素がある授業を展開していたので、自然にCLILに近づいたので、あまり違和感がありませんでした。しかし、それとともに、言語教師の教えることや学ぶことに対する考え方(教師認知:teacher cognition)を研究しているうちに、日本の中高で教える英語教師の認知(「こころ」と呼んでいます)が、長い年月の間に構築されたある集合的な方向性を持っていることに気づきました。それを変える可能性があるのが、CLILという教育理念だと考えたのです。

日本の英語教育の問題は、何も日本の英語教師だけにはかぎりません。私の話は、ネイティブ・スピーカーがCLILに取り組むことにより、その「こころ」がどう変化したかに多少触れました。ちょっとそのあたりがうまく話せませんでしたが、ネイティブ・スピーカーとのティームテイーチングによりかなり変化しました。効果はあったと考えています。

北海道でもCLILがかなり興味を持たれているようで、同時期にいくつか同じ話があちらこちらであったようです。CLIL についても理解が進んでいるのでしょう。多様なCLILがあり、また、CLIL自体がそれほど特別なものではないと受け止める人が出てきています。「これまで展開されてきた内容やテーマを重視した英語授業と何が違うのか?」という素朴な疑問があるようです。これは、言い換えれば、多くの人がCLIL的な内容を実践されているということでもあります。うれしいことです。ぜひ、よいかたちで進んでほしいと思います。

北海道支部の取り組みがhospitalityというテーマを中心に展開しているそうです。そのためにニセコを選んで大会を行ったと聞きました。hospitalityというのは状況により、また、文化によりかなり異なります。相手がどう感ずるか、どう考えるか、そのために自分はどう行動するのか、などなど。この視点は、CLILの4つの原理の一つであるcultureと共通します。

CLILがヨーロッパとは異なるかたちで北海道の言語教育に定着してくれたらうれしいです。

発表スライドは、ここをクリックしてください。



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