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CLIL SAITAMA(旧名称)

Current Practices and Future Perspectives of Content and Language Integrated Learning (CLIL) in Japan

CLILは、次第に注目を集めています。本サイトは、笹島茂がかかわるCLILの実践やつぶやきを集めたものです。参考にしてください。

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2016年1月5日火曜日

2016年 CLIL

2016年、あけましておめでとうございます。



前回投稿よりすっかりご無沙汰してしまいました。しかし、私がさぼっている間に日本のCLILは多様に発展しています。私がどうのこうのと言う必要もないほど多くの研究者、教師が関心を持ち、実践が始まっています。嬉しいことです。私の役割は終わったように思います。

それとともに、CLILは決して特別な指導法ではなく、マジックがある訳ではない、ということも、ようやく認識されてきたようです。それでも、CLILには魅力的な面が多々あります。それを日本の英語教育の伝統的な「思い込み(assumption)」を変えるきっかけとしてほしいと思っています。

2015年は、小学校でのCLIL指導法について中心的に考えてきました。小学校英語の指導者はたくさんいますので、私がとやかく口を出すのはどうかと思いますが、私自身はかなり前から小学校の外国語教育や教員養成には関心を持っています。これまで、ヨーロッパの小学校は、CLIL も含めてかなりの外国語授業を見てきました。その中で、CLIL的なアプローチの必要性を痛感して、小学校でのCLILを進めたいと思った次第です。

前回の投稿より、CLILに関してどのようなことをしてきたのかというと、次のような会を始めました。

TOYO EIWA ELTE  https://www.facebook.com/toyoeiwaelte/

東洋英和の法人を中心に、小学校などでの英語教育をCLIL的に考えて、こつこつと勉強会を開いてきました。

また、小学校のCLIL指導法に関する本の出版を模索してきましたが、もうちょっと時間がかかるようです。

さらには、WALS(World Association of Lesson Studies)2015でタイのコンケーンに行き、次のようなタイトルで研究発表しました。

Teachers’ cognitions on Content and Language Integrated Learning CLIL) in primary education

小学校の先生がCLILを実践する授業研究の中で教師認知をふりかえるよいきっかけとなるという趣旨の発表でした。その際に見学したタイの小学校の英語授業でやはりCLIL的な英語教育の必要性を感じました。タイの英語教育は日本とある面でとてもよく似ています。つまり、共通の問題を抱えています。

年賀状はそのときに訪れた小学校の一つでのワンショットです。タイは小学校から英語教育を実施していますが、その実態はかなり多様です。CLIL的なアプローチも始まっています。しかし、私は、タイの実態をちょっと垣間見て、学校教育文化や教師の「学び」に対する考え方を考慮しないと、いくら政策を変えても、大勢は変わらないような印象を持ちました。それでも、小学校の英語の先生にCLILアプローチを勧めて来ました。

それはさておき、2015年の後半は、その他いろいろなことがあり、また私事でもいろいろあり、あっという間に暮れてしまいました。気づいてみたらこのブログも半年ほど更新していませんでした。しかし、私が個人的にあたふたしている間にCLILはますます発展してきました。よい方向に行くことをただただ期待しています。

さて、そこで本題の2016年のCLILを展望してみたいと思います。CLILはどう進展するのでしょうか?

文部科学省の外国語教育政策や教員養成や研修はそれほど悪い方向には向いていないと思います。が、教員がもう少し主体的に活躍できるようなシステムにしてほしいと思います。どうしても上意下達という印象が強いように思います。また、従来の固い形式的な考え方から脱却できていないようです。私自身は、CLILに関しては文部科学省の方に一度話したことがありますが、どうも理解してもらえなかったようです。理由は、外国語(英語)教育に対する伝統的価値観だと思います。

日本の英語教育はそれなりの歴史があり、伝統があります。学習指導要領自体は決して悪いものではありません。また、授業研究にも有益な知見の蓄積があります。英語教育研究や実践のネットワークも誇るべきものがあるでしょう。他国の状況から見ても、優れた実績があります。が、文部科学省的に言うとそれではダメなようです。「英語を使って授業をする」「英語教員の英語力がない」「授業内容が満足できるものではない」「ネイティブスピーカーの力が必要」「ICTを活用すべき」「英語力の到達度を明確に」などなど、改善の余地が多々あり、教員養成のコアカリキュラムを設定し、養成課程を改善し、もっと英語力のある教師を養成する必要があるということのようです。

政策としては、小学校から英語教育を推進し、テストで測定できる英語力を伸ばし、国際的に活躍できる人材を育てる。そのためには、英語教師の英語力を上げ、英語力のある教師を育成し、英語力のあるリーダーが核となって各地域の英語教育を先導する。その結果、学習者の意欲ある者が海外に行くことで英語力を高め、グローバルに活躍できる人材となる。

教員研修に関しては、

集中研修でリーダーを養成(英語教育推進リーダー、中核教員) 

リーダーを中心として各学校で広げる

という、上意下達の方式が踏襲され、英語教育拠点地域の推進や外部試験の利用などを柱としています。

教員研修のほか、ICTを活用することが推進されていますが、昨年の調査では、やはり基礎基本のアナログ的な、読み書き聞く話すという技能が必要だということが報告されています。

OECDの調査:Students, Computers and Learning Making the Connection

このような教育政策の中に、CEFRの考えは導入されていますが、CLILはちょっと外れているようです。この点がヨーロッパのようにはいかない日本の状況だと思います。その批判はこれまで多くの方から聞いています。

それはそれでいいような気がしますが、2016年からの希望は、草の根的にCLILアプローチが浸透することです。

私の2016年のCLIL実践の基本コンセプトは、

『英語授業活動の中で、英語を無理せず使い、言語意識を育み、学ぶ内容について考え、ものの見方や違いに対する理解を培うことをねらいとして、それぞれの状況に合うCLILアプローチを開発する』

このように考えて、どの学習段階でも、どのようなカリキュラムでも、教師の裁量で授業をおもしろく工夫することができると考えています。

ブログの更新は滞ると思いますが、今年もよろしくお願いします。















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